虚数の虚数乗のはなし
先日、本屋で立ち読みしていたらオイラーに関する本が置いてあったので、読んでみました。
そのときは頭痛が酷かったので、あんまり内容が頭に入らなかったんですが、そんな中でも印象的だったのが、
は無限の値を持ち得るということ。
先ず最初に、値を一つだけ出してみることにしました。こんなかんじで。
ということで、を得ました。
答え合せーとおもって、検索してみたところ、
という等式が成り立ち、特に の場合を主値と呼ぶのだそうで。と云うことは僕が出したのは主値ということになりますね。
まあ、そこには理由が書かれてなかったので、じゃあ自分で導出してみよう!ということで頑張ってみました。
ここまでは一緒。
となって、無事証明することができました。
ところで、不安なのが一箇所だけ。それはまさに、「指数関数は周期関数だから〜」云々のところで、彼処であの様に足してしまってよかったものなのかと。
そもそも、迄は、左辺も右辺も一定の値を取るので等式が成り立っているのは明白ですが、それをi乗することで左辺の値の一意性が崩れるというのが何とも怪しいことです。
この他にも導出方法が有るのでしょうか?
そもそも、一見一つの値をとるかに見えるが複数の値をとるというのが、なんだか感覚的に不思議です。そのせいで面白く感じるわけですが。
そして虚数が虚数回掛け合されたものが、実数になるというのも不思議なものです。
これはどういうことなんだろう。普段何げなくつかっている範囲の四則演算+巾乗の値が一定というのが実は特殊で、このように一定解を持たないのが通常だということなんだろうか。
まあ、元来巾乗は実数に定義されたものだったのを、オイラーがオイラーの公式(や等式)でもって拡張してしまった訳で、その時点で、通常の計算の範囲(?)を超越したモノに成るのは当然といえば当然なのかもしれませんが。
しかし、こうしてみると、最早指数函数といいつつ函数になっていないような気がしてしまいます。函数(写像)は、与えられた値(要素)に対して結果が一意に定まってないといけない訳ですし。
こうしてみると、数学っていうのは、本当に面白い。例えば、かけ算だって、足し算を何回繰り返すかっていう操作だったのを、実数とかそういう方向に拡張して新たな意味付けをしてしまったり。ガンマ函数だって、階乗を任意の正の実数に拡張したものだし。
こんな風に、純粋な演算をより大きい範囲に拡張していって、そこに想像だにしなかった新しい風景が広がっていたっていうのも、数学の醍醐味の一つだとおもいます。
数学脳が進行すると、何か概念を聞くとそれを一般化したがるようになってしまう様で、この間化学の授業でイオンについて学んだときも、「水溶液以外でもイオンは出来ないんですか?」と先生にしつもんしてしまったですよ。
数学の喜びは、想像して創造する開拓の喜び、とでも云えるかもしれません。
*1:より